KW damping and valve technology, 2-way
KWのダンピングテクノロジーは、幅広いアプリケーションとカテゴリーに使われています。
ダンパーの基本–ショックアブソーバーの機能
ショックアブソーバーの仕事は、車輪、車軸、およびボディによって引き起こされる振動を抑えることです。 凹凸を乗り越えると、発生した衝撃や振動がサスペンションに吸収されます。
スプリングは常に伸びようとしています。蓄えられたエネルギーを解放したい状態です。 これらの反復で、振動が発生します。 これらの動きは、ピストンロッドを介してショックアブソーバーに伝達されます。 ここでは運動エネルギーは、ショックアブソーバーバルブの油圧抵抗によって熱に変換され、振動を最小限に抑えます。
- 連続する振動
- 加速またはブレーキング時の挙動
- 追従性能
- コーナリング
車両に使用されるショックアブソーバーは、通常、ツインチューブダンパーまたはモノチューブダンパーです。 ピストンは、これらのダンパータイプでシリンダー内を移動します。 ピストンはオイルをバルブに押し込み、さまざまな穴やオリフィスを通ってオイルの流れに抵抗を発生させて減衰力を生じさせます。
ツインチューブではリバウンド中、オイルはアウターチューブからインナーチューブに戻ります。 オイルは、コンプレッションバルブに加えて、ピストンロッドにあるリバウンドバルブにも流れ、ピストンハウジングに入ります。
KWツインチューブショックアブソーバーの機能
走行中にサスペンションが縮むと、ピストンロッドが入り込むことによってわずかに圧力の掛かっているオイルが移動します。 縮み側の流速を制御するコンプレッションバルブからアウターチューブに流れ込みます。
Rebound adjustment
伸縮独立したリバウンドダンピング(伸び側減衰力)調整
16 Clicks – Best perfomance and easy adjustment
KW Version 2,3、KW ClubsportおよびKW Street Comfortは、16クリックのリバウンドダンピング調整が可能です。
リバウンド調整は、よりダイナミックな特性を出したり、タイヤの変更や走行ステージに合わせてベストな調整を行うことが可能です。
Version2以上のサスペンションは、車高調整機能以上のものをユーザーに提供します。
調整可能なリバウンドダンピング機能により、ユーザーはよりスポーティでよりタイトなハンドリング特性、またはより快適な調整を行うことができます。
Technical details of adjustable rebound damping
減衰力がハードな時のリバウンドストローク中のオイルの流れ
クリックで開閉する部分が閉じている状態です。 最も強いリバウンドダンピングを発生させます。
結果:単にハードになるのではなく、しっかりとリバウンドしながら、ロールおよびピッチングモーションが回避されます。
減衰力がソフトな時のリバウンドストローク中のオイルの流れ
クリックで開閉する部分が開いている状態です。 最も弱いリバウンドダンピングを発生させます。
結果:リバウンドダンピングが低いほど、快適な運転が可能になります。
リバウンドダンピングを調整するときの、ダンパースピード(m / s)から減衰力(N)への関係のグラフィック。
Compression adjustment
伸縮独立したコンプレッションダンピング(縮み側減衰力)調整
調整ノブによるコンプレッション調整
開口部からアクセスできる4穴アジャスターによるコンプレッション調整
ダンパーの下部にある調整ダイヤルを回すコンプレッション調整
ダンパーと一体型の調整ダイヤルによるコンプレッション調整
12クリック調整可能なコンプレッションダンピング
KW Version 3およびKW Clubsport 2wayは、車両の幅広いダンピング調整を重視するパフォーマンス志向の理想的なシステムです。
独立したリバウンドおよびコンプレッションダンピングにより、幅広いダンパーチューニングが可能になります。 これにより、ターンイン特性、安定性、グリップ、および車両の限界でのハンドリング、運動性能に直接影響を与えることができます。
独立したリバウンドとコンプレッションダンピングのための特許取得済みのKWバルブテクノロジーにより、ユーザーはKWダンパーのセットアップが自由自在です。
Technology of compression damping in detail
Graphic representation of the relation from damper speed (m/s) to damping force (N) when adjusting the compression damping.
コンプレッションバルブが閉じている時のオイルの流れ
図1:
プリロードが掛かったバイパスバルブは、コンプレッションストロークが始まる前は閉じた状態です。
図2:
コンプレッションストロークが始まると、閉じているニードルのスプリングが圧力によって縮んでいきます。
ピストンスピードが低いとき(黒い矢印)、オイルがバイパスバルブを流れています。
白い矢印は、ピストンスピードが速いときにスプリングが圧縮されオイルが流れます。 閉じたコンプレッションバルブは、ロースピードコンプレッションダンピング(低速圧縮減衰力)を調整します。
結果:
コンプレッションダンピングを強くすることで、コーナリング時などグリップ力の限界が高くなります。
コンプレッションバルブが開いている時のオイルの流れ
図1:
プリロードが掛かったバイパスバルブは、コンプレッションストロークが始まる前から開いた状態です。
図2:
コンプレッションストロークが始まると、閉じているニードルのスプリングが圧力によって縮んでいきます。
ピストンスピードが遅い場合(黒い矢印)、オイルがバイパスバルブを流れています。
ハイスピードコンプレッションダンピング(高速圧縮減衰力)(白い矢印)は、調整クリックで変化のないスプリングのプリロードによって決まります。 開いたバイパスバルブは、ロースピードダンピング(低速減衰力)でコンプレッションダンピンググラフを生成します。
結果:
このテクノロジーはロースピードダンピングを調整し、一貫したハイスピードダンピングを可能にします。 ハイスピードダンピングはバルブの開閉(調整クリック)に影響されません。
KWのピストンロッドおよびシーリング
- 高張力アルミナット
- 特殊NBRシーリング
- クランピングスリーブ
- 耐熱バイトン製Oリング
- ブリードホール付きガイドブッシュ
- 特殊コーティングされたDUプレーンベアリング
- リバウンドスペーサー
KWスプリングプレートは、ヘルパースプリングやメインスプリングを正しい位置に保持するだけでなく、スプリングの振動ノイズを最小限に抑えます。 車両のタイプと用途に応じて、KWは高品質のアルミニウム合金またはポリアミド複合樹脂のスプリングプレートを製造しています。 アルミニウム製でも錆びにくい複合材製でも、非常に軽量です。
ヘルパースプリングは、高品質のクロムシリコンスチールでできており、フラットな設計になっています。 スプリントシートを下げて車高を下げても、メインスプリングの性能を保ちます。 車両の重量がヘルパースプリングに掛かるとすぐに縮んでブロックのようになり、メインスプリングの性能に影響を及ぼしません。
KWが使用する軽量のポリアミド複合樹脂で作られた中間リングは、スプリングを保持するだけでなく、スプリングの振動ノイズを最小限に抑えます。
ダストカバーは、水や汚れの粒子がピストンロッドシールに到達するのを防ぎます。
プログレッシブスプリングレート
プログレッシブスプリングは異なる強さのスプリング巻線で構成されます。力が作用すると、弱い巻線は最初に圧縮され、次に強い巻線が圧縮されます。同じ効果は、互いに重ねて配置された2つのスプリングを使用することでも得られます。
スプリングレートは、スプリングに作用する力(N)の量を示します。これにより、スプリングは1ミリ縮みます。簡単に説明すると、スプリングレートが高いほど、スプリングは硬くなり、スプリングを圧縮するためにより多くの力をスプリングに作用させる必要があります。
リニアスプリングレート
スプリングが直線的に巻かれている場合、力は圧縮行程に比例します。 スプリングレートが70ニュートン(N)/ mmの場合、70 Nがスプリングに掛かり1mm圧縮します。
KWのスプリングシートは、ステンレススチールを耐久性の高いポリアミド複合樹脂で覆われて作られます。 ブレーキダストや砂粒などがポリアミド複合樹脂に接触しても腐食などは起きません。 保護されていないアルミニウムやスチールまたはステンレススチールのスレッドに金属のスプリングシートが直接触れると、酸化が発生し固着します。 最悪の場合車高の調整ができなくなります。 INOX-LINE(ステンレススチール)の耐久性のあるKWサスペンションと、ポリアミド複合樹脂のスプリングシートの組み合わせはこれらのリスクがありません。
KWサスペンションのケースは、高品質なステンレススチールで作られており、耐久性や寿命の長さに優れます。 すべての気象条件で、ステンレススチールのKWは100%耐腐食性があり、長寿命です。
KWの台形スレッドとポリアミド複合樹脂による車高調整機能は、長期間使用できるように設計されています。 塩水噴霧試験を実施し、KWに酸化はほとんど見られませんでした。したがって、数年後でもメンテナンスを怠らなければ車高調整は容易となります。